「生活困窮者支援制度」の研究をつうじて
隈 直子先生
(社会福祉学科― 2020年4月1日現在 ―)
私は、現在、社会福祉士の受験資格に必要となる相談援助実習、相談援助実習指導、公的扶助論などを担当しています。
学生の皆さんは、実習で、高齢の方や障がいを抱えた人びとにかかわり、また彼らの生活を支える専門職(社会福祉士)としての仕事を学びます。
実習中の体験を通して、学生が自分の将来を真剣に考え、成長していく姿を見るのがとても楽しみです。
生活困窮者支援制度に関心があります。
生活困窮者支援の現場から話を聞き、生活困窮者が抱えているのは経済的問題だけではないこと、健康上の問題だったり、家族関係がうまくいってなかったり、さまざまな問題が背景にあることが分かってきました。
しかし、早めに支援とつながれば、問題が深刻化せずに済むかもしれません。
支払いの滞納や生活困窮といったお金の問題は、課題を抱えた人が支援につながるきっかけになると考えます。
目指す資格の魅力とその資格を本学科で取得するメリット
社会福祉士は、高齢や障がい、虐待・生活困窮などの理由で、日常生活を送ることが困難な人や家族からの相談に応じます。
福祉制度や行政、年金、医療や心理、司法など幅広い知識をもとに、その人にあった福祉サービスを紹介したり、サービス利用の手続きをサポートしたりするなど、相談者の生活を全般的に支援します。
社会福祉士は、高齢者、障がい者、生活困窮者、児童、母子などさまざまな人を対象に支援します。
高齢者や障がい者の施設だけでなく、病院、行政で働く社会福祉士も増えています。
近年では、外国労働者を支援する団体、LGBTを支援する団体など社会福祉士が活躍する場は広がっています。
現代、社会問題は多様化し、福祉の支援を必要とする人も多様化していることから、社会福祉士の知識やスキルが求められる場面はさらに広がるものと考えられます。
社会福祉士と名乗って相談業務を行うためには、社会福祉士の国家資格を取得することが必要です。
また、社会福祉士として働きながらも、ケアマネジャーや精神保健福祉士など関連する資格も取得したり、研修会でスキルアップしたりする人が多いです。
自身のキャリアプランを描きながら、社会福祉士としての成長ができます。
本学では、社会福祉士のほかにもう一つ資格取得が可能なカリキュラムが用意されています(精神保健福祉士または介護福祉士の受験資格のいずれか、あるいは教員免許状(養護教諭・高校福祉))。
大学生の4年間で、2つの国家資格を目指す学生がいることは、学生間の刺激となり、お互いに切磋琢磨する仲間ができます。