精神保健学専攻
精神保健上の様々な課題を専門的な視座から研究・解決できる人材を育成
近年、様々な精神保健に関する問題が頻発しています。本専攻では、精神保健学に関連する大学院レベルの教育を行う先駆的な教育・研究を通して現代社会が抱える精神保健上の様々な問題や課題を解決できる高度な専門職を養成します。
教育課程の特色
近年、児童虐待や高齢者虐待、DV、アルコール中毒、薬物中毒、いじめ、引きこもり、自閉症、不登校、拒食症や過食症、犯罪や非行につながる逸脱行動、老年期認知症、家族介護、統合失調症やうつ病などの精神障害、ストレス、自殺、不適応症候群、無断欠勤症候群、教師や看護師、保健師・ソーシャルワーカーなどの燃え尽き症候群(バーンアウト)等、多様な精神保健に関する課題が頻発し、早急な解決が求められています。
これらの課題に対する支援や対策が遅れており、「精神保健学」の視点から先駆的に取り組み解決に携わる高度専門職が必要です。
そこで、精神保健課題に、より的確に対応できる専門職を養成するため、平成17年4月に精神保健学専攻を開設いたしました。精神保健学に関連する大学院レベルの教育は九州圏内だけでなく、全国的にもほとんど例のない先駆的試みです。
精神保健の健康問題に対応するためには、医療・医学モデルから人間発達モデルや社会生活環境モデルといった視座の転換が重要であり、ポジティブメンタルへルス、サポーティブメンタルヘルス、トータルメンタルへルスの視点から対応する必要があります。そこで、本専攻では、「発達」と「社会」を中軸として教授するために発達精神保健学分野、社会精神保健学分野の2分野を設置しています。
また、精神保健分野の研究や活動を広い視野で担えるように看護学専攻や健康支援科学専攻との共通科目および専攻共通科目を充実して他領域の専門職とも協働して活躍できるよう多様な科目が配置されています。
各分野の特色
発達精神保健学分野
子どもから高齢者、家庭、学校、職場、地域社会の精神保健上の問題や課題について発達という視座から教授・研究します。
これらの課題を抱えた人々についての理解や援助および課題解決手法等を対象として、特に心理学、教育学、行動学、心身医学を応用して、総合的に教授し、課題の探求をメゾないしミクロレベルから接近を試みます。
社会精神保健学分野
精神保健上の問題や課題について社会という視座から教授・研究します。
精神保健福祉に関わる問題発生の社会的文化的要因、これらの問題への対策、地域ケアや地域計画、予防や健康の保持増進(へルスプロモーション)、介護を含めた社会的支援方法、精神保健福祉面の課題を抱えた人々の住環境や支援施設のあり方、専門職の対応や燃え尽き症候群などが対象となります。社会学、疫学、統計学、福祉工学を応用して、コミュニティや行政、施策、制度面から総合的・包括的に教授し、主としてマクロレベルからの接近を試みます。
精神保健学専攻カリキュラム
共通科目 | 高齢者ケアサービス論 | ||
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ヘルスケアシステム論 | |||
医療統計学 | |||
健康医科学 | |||
精神保健臨床論 | |||
健康支援科学通論 | |||
専門科目 | 精神保健学専攻共通科目 | 現代社会病理論 | |
児童思春期精神保健論 | |||
青年期精神保健論 | |||
教育精神保健論 | |||
老年期精神保健論 | |||
精神保健看護論 | |||
精神保健ソーシャルワーク論 | |||
計量解析研究論 | |||
精神保健福祉政策論 | |||
質的研究方法論 | |||
精神保健学専攻専門科目 | 発達精神保健学分野 | 発達精神保健学特論 | |
発達精神保健学演習 | |||
発達精神保健学研究 | |||
社会精神保健学分野 | 社会精神保健学特論 | ||
社会精神保健学演習 | |||
社会精神保健学研究 |
※上記は令和4年度入学生のカリキュラムです。変更となる場合があります。