幅広い知識、高度な技術に加えて、豊かな人間性を育む教育が重要。

大学の学びは、大きく文系、理系、文・理系に分類され、さらにそこから、さまざまな系統・分野に分けられます。そのなかで、社会的ニーズの高まりから、いま特に注目されているのが保健・医療・福祉分野です。これらは、人の「生命」と「健やかな生活」を学びのテーマに掲げています。
保健は、人の心身の健康を「病気になる前の段階」から包括的に見つめていく学問。予防医学の見地から衛生や衣食住などの生活環境を探究します。
医療は、実際の病気やケガにアプローチ。医学、歯学、看護学、薬学から検査やリハビリテーションまで、学問分野はさまざまです。
保健と医療が“人”から発想するのに対して、“社会”という枠組みから人の幸福を考えるのが福祉です。
地域社会を背景に、人の健康と豊かな人生を多角的に見つめていきます。
大学で学ぶのは、各分野の専門知識と技術です。活躍の場はいずれも対人サービスの現場ですから、「人への深い理解」と「思いやり」を含めた「豊かな人間性」を育むことが不可欠。そうした学びの先に、プロとしてのやりがいを実感できる進路が広がっています。

それぞれの専門分野を横断的に見通す「総合的な学び」の環境が理想

専門性が高いがゆえに見逃されがちなのが、各分野を横断的に見通す「総合的な学び」の大切さです。「保健」「医療」「福祉」は、それぞれ密接に関係しています。
「看護だけ」「リハビリだけ」「福祉だけ」というように個々の専門分野に限定した学びではなく、それらをトータルに学べる教育環境が望ましいでしょう。チーム医療の観点からも、この「総合的な知識とスキル」の養成は重要なポイントです。
これらの分野で活躍するためには資格が不可欠です。
当然、資格取得のためのカリキュラムチェックですが、資格そのものについての保健・医療・福祉分野に限らず、学生は資格を「自分の将来のための武器」と捉えがちです。しかし、「資格には責任がともなう」という事実を見落としてはなりません。
社会に出れば、「有資格者」として特別に遇される。同時に責任も発生します。そこでは、確かな職業意識と使命感が求められます。そうした「専門職としてのマインド」を理念に掲げ、教育に反映させているかどうか。これも、大学選びの大切なポイントとなるでしょう。